仲介サイトのネット利用としての特性

「ホームプロ」や「ホームクリップ」などの仲介サイトは、インターネットを通じての紹介となるので、業者紹介の申込者が、気に入った業者を選ぶことが容易にできます。が、ネットの特性として、実はやめることが簡単なのが利用者にとっては大きなメリットなのです。
ネットでなく、実際に業者と面対して話してしまうと、一種の「情」のようなものが生まれてきて、客観的な判断が難しくなります。自分たちの息子みたいな業者の担当者が一生懸命説明してくれるから、などと、業者の能力とは違う次元で判断して泣きを見かねません。
ところが、ネット上だとそういうものが一切なく、業者についての情報だけからの客観的な判断が可能になりますので、気に入らない場合は、精神的な負担なく、断りを入れることができるのです。

大阪ガスが始めようとしているネットを使わない「スマートリフォーム」は、一旦担当者と面対したら断りにくいという人間心理を利用したものです。「スマートリフォーム」を利用したとしても、客観的根拠により、あなたの要望するリフォームを実現してくれる業者でないと判断した場合は、毅然として断わる勇気が必要です。

判断する基準は、後で述べます。

仲介サイトの中立性

仲介サイトは、リフォームをお考えの方々に対し、中立的立場で客観的情報を提供しているか、という問題です。
「ホームプロ」が大阪ガス主体でスタートした会社であり(現在はリクルートが筆頭株主であるが、大阪ガスも出資を継続)、「ホームクリップ」は、東京ガスと住宅設備機器メーカーのINAXが主体の会社です。

企業が新しい事業を立ち上げるにあたっては、当然ながら本業へのシナジー効果を期待するわけですから、彼らから紹介される業者について、まったく「色」がついていないと考えることは不自然です。
自社のサイトで紹介したお客さまが、他のエネルギーや他メーカーの製品を採用ということでは、なにをしているのかわからないということになるからです。

つまり、ガス会社はオール電化住宅へのリフォームについてはライバルのリフォームに手を貸すことになるので、オール電化リフォームを専門的に行っているような業者の紹介はまずないはずですし、「ホームクリップ」の運営主体の企業のひとつがINAXであるだけに、他メーカーの製品が気に入っているにも関わらず、紹介された業者からINAX製品の営業をされるという懸念もあります。

ちなみに、大阪ガスが、ホームプロとは別に、サイトを使わない業者紹介「スマートリフォーム」というサービスを、子会社で始めたようです。基本的な仕組みはホームプロとまったく同じなのですが、現時点では詳細についてはまったく不明です。
ホームページには、「中立的な情報提供専門の機関」として、「失敗のないリフォーム市場の提供」ということをミッションとしている、とありますが、やはりエネルギーとして都市ガスを選択してもらうことを狙っていることだけは間違いないと思われますので、「中立的な情報提供専門の機関」であると信じてしまうのは危険かもしれません。

仲介サイトの保証システム

申込者と業者が組む「飛ばし」撲滅のため、万一トラブルが発生した場合の保証を用意して、間に仲介サイトが存在する意味を高めようとしています。

ホームプロは、「安心工事保証」と銘打って、「工事完成保証」と「工事瑕疵保証」を打ち出しています。
しかしながら、仲介サイトから紹介された業者の倒産したことが前提となってるとか、工事請負契約金額が100万円(税抜)以上であることなどの条件があるので注意が必要です。
つまり、業者が存在する限り申込者は自己責任で業者と交渉しなければならないし、また、工事請負契約金額が100万円(税抜)以上であることが条件なので、リフォームに多い小規模工事には適用されないのです。

一方、ホームクリップは、「保証プログラム」というもので、リフォーム工事中の損害や完了後の損害について保証することになっています。こちらは工事請負契約金額の条件がないのですが、業者が廃業した場合には保証の対象となりません。

さぁ、あなたはどちらを選択しますか?

仲介サイトの手数料

業者紹介の仲介サイトは営利企業であって、ボランティアではありません。
申込者が仲介サイトで紹介してもらった業者でリフォーム工事を成約すると、リフォーム業者に対して仲介サイトの手数料が発生することとなります。
この手数料を業者側で負担するか、工事費用に上乗せして申込者負担となるのかですが、ホームプロでは、「ホームプロでは複数の会社がお客さまに紹介されるため、お客さまは、複数社から相見積もりをとり比較することで、納得の費用でできる会社に発注が可能です」と説明していますが、ホームプロで紹介された複数社は、当然にすべてホームプロに加盟しているので、全社が上乗せしているとすると、業者の見積如何に関わらず、ホームプロへの手数料だけはお客さま負担となるわけです。仲介サイトから紹介された業者以外からも見積をとっておき、それとの比較も重要でしょう。

前述しましたが、ホームクリップの業者の一覧リスト方式だと、申込者が業者に直接連絡をとるので、業者が自主申告しない限り、仲介サイトは利用実態を把握できないため手数料は発生しえません。
一方、裏技的ですが、匿名方式でも、回答してきた業者へ申込者が直接連絡をした場合は実は同じことです。

ただ、仲介サイトを通さない、業者との直接の契約は、後述する保証対象から外れます。リフォーム市場は、魑魅魍魎が跋扈する怪しげな世界です。自己責任でやるか、高くても仲介サイトの保護下でやるか、難しい判断です。

仲介サイトの種類

2000年に、大阪ガスとNTTが出資した国内初のリフォーム業者仲介サイト「ホームプロ」がサービスを開始して以来、東京ガスとINAXなどの出資で立ち上げた「ホームクリップ」が追随、その後数多くの仲介サイトが雨後の筍のように世に出てきました。

公表されている実績的には、ホームプロの独走状態のようですが、2番手の「ホームクリップ」はその仲介システムの特性上、正確な利用者数の把握が難しいという事情があり、単純な比較はできません。その他の仲介サイトは、非常に苦戦しているようです。

仕組み的には、ホームプロは、業者紹介の申込者について、お客さまの氏名・詳しい住所・電話番号など、個人を特定するようなプロフィールなく加盟会社に照会、申し込み内容・地域的に対応可能なリフォーム業者の中から、工事を請負いたい加盟会社だけが回答してきます。つまり、加盟会社が回答してくるまで、ホームプロにどういう業者が登録しているかは申込者にはわからないようになっています。
申込者のメールアドレスも加盟会社には伝えないので、業者とのやり取りは基本的にホームプロのネット上のみという、申込者にとって、非常に匿名性が高いのが特徴です。

一方、ホームクリップは、ホームプロと同じ匿名利用に加え、申込者の地域に登録している加盟会社を一覧で表示して、申込者が業者を選べる仕組みも設けてあります。ただし、この場合は、申込者がホームクリップを通じず、直接業者に電話するなどして連絡をとられると、ホームクリップの実績として把握できません。そういう意味で単純な比較ができないのですが、ホームクリップの実質的な利用者はかなりの数に上っていると考えられます。